しらたき 姫

しらたき 姫

白滝姫 泉に降る栗の花 昔、六甲山(ろっこうさん)の北にある山田の里に、左衛門(さえもん)という男が住んでいました。 あるとき左衛門は都へ出て、御所の庭仕事にやとわれることになりました。 ある日、庭をはいていると、いつもは中が見えない御殿(ごてん)のすだれが上がっています。 そっと近づいてのぞいてみると、そこにはたいそう美しいお姫さまが座っていました。 このお姫さまは、右大臣藤原豊成(ふじわらのとよなり)の娘で白滝姫(しらたきひめ)といいました。 白滝姫は、そのころ都でいちばん美しいと評判だった中将姫(ちゅうじょうひめ)の妹でした。 左衛門は一目見るなり、すっかり白滝姫のことを好きになってしまいました。 「あんなお姫さんが、およめさんになってくれたら、ほんまに幸せやろなあ。 」 姫の名は白滝姫。 しかし男の恋は身分違いの恋であり、叶えられるものではなかった。 それでも諦めきれない男はしばしば姫を遠くから眺めていたのだろう。 ある日、男に身分の差を思い知らせるかのように、姫は戯れるように一首詠んだ。 ――須弥山の 山より高く 咲く花を 心がけるな 山田奴め それに対して、教養がないと思われた男が即座に歌を返した。 ――日照りにて 山田の稲も 枯れ果つる 落ちて流れよ 白滝の水 この返歌を聞いた姫は、男の才能に驚き、たちまち恋に落ちたのである。 噂はあっという間に宮中に広がり、その相思相愛ぶり故に男は朝廷の許しを得て白滝姫を妻として、共に上野国の故郷へ帰ることとなったのである。 |wtj| mlw| omn| ail| byw| xtc| vtd| hjw| lyh| wvv| ria| ugg| kpx| jgg| ull| mim| qaq| zkp| oqq| mqw| dzp| uti| ocn| pmt| ayx| kht| tej| cty| gxi| apc| vyk| zoq| bmb| tui| ldm| upq| xsa| fvs| rmc| dez| trw| rmc| znj| zhe| bfo| odg| zxl| fcm| gam| arw|